わかりづらい結婚式のアクセサリーあいまいマナーを優しく解説

最終更新日:2016.12.11


結婚式のアクセサリーのマナーを調べてみたけど、サイトによって「OKマナー」「NGマナー」がバラバラ。。。あいまいで良く分からない。

そんな不安や悩みを抱えているあなたのために、本日は、「守らないと恥をかく、必須マナー」と「あいまいマナーの対処法」を解説します。ぜひ、参考にしてみてください。

1.守らないと恥をかく、結婚式アクセサリー4つの必須マナー

まずは、最低限おさえておきたい結婚式アクセサリーの必須マナー4つを解説いたします。
もうすでに知っている内容もあるかもしれませんが、復習もかねて確認してみてください。

1−1.花嫁よりも目立つもの、花嫁が身につけそうなデザインのものはさける

花嫁の定番、花モチーフで大きめのアクセサリーやティアラのように見えるカチューシャなど、花嫁の特権アイテムや花嫁よりも目立つ大きなアクセサリーはさけ、小ぶりで華やかなアクセサリーを選びましょう。

1−2.腕時計ははずす

新郎新婦の門出をお祝いする特別な日を「時間を忘れて楽しむ」ということが結婚式でのマナーとされています。

結婚式で招待客が時間を気にする行為は「楽しくない」「退屈」「早く帰りたい」などの不満の態度に見え、誤解されてしまう場合があるため、トイレに行ったときに携帯電話の時計でこっそりと確認するように心がけましょう。

女性が洋装でどうしても時計を身につけたい場合は、アクセサリーのようなブレスレットウォッチなどを着け、時計盤はできれるだけ目立たない手首の内側に向けるように心がけましょう。

1−3.シュシュやクリップなど、カジュアルなアクセサリーはさける

普段使いとして利用されるシュシュやクリップはカジュアルな印象になってしまうのでさけましょう。
パールやラメなど華やかな雰囲気を後押ししてくれるアクセサリーをアクセントにして、ドレススタイル全体にメリハリをつけましょう。

1−4.季節感が違う素材のアクセサリー

春や夏の暖かい季節の挙式で冬の気温の低い時期に身につけるコーデュロイやベロア素材を使ったアクセサリーはさけましょう。季節感を取り入れたいなら、出席する季節・気候にあった素材を選ぶように心がけましょう。

2.場合によっては恥をかく、結婚式アクセサリーのあいまいマナーの解決法

ここで解説するあいまいマナーとは、年代や生活様式、風習や習わしによってマナーに対する認識に違いがあったり、時代によって許容範囲が広がり、あいまいになっているマナーや根拠なく縁起かつぎをして、言葉のごろ合わせをしている「○○だから縁起が悪い」のようなマナー。その理由や由縁が『あいまい』な以下ようなアクセサリーに関するマナーが対象です。

2−1.キラキラ光る素材のアクセサリーはNGなの?

結婚式のドレスコードは昼と夜で基準にするマナーが違います。

お昼頃から出席する場合(時間帯の目安:午前中~午後6時くらいまで)

パールなど素材で、太陽光や室内照明、写真撮影のストロボなどに反射して光らない素材のものを身につける。パール以外のキラキラ光らない上品なイメージの半貴石は、サンゴ(珊瑚)・ヒスイ(翡翠)・トルコ石・ラピスラズリ・ムーンストーン・メノウ・アメジスト・コサージュ・カメオなど。

夜から出席する場合(時間帯の目安:午後6時以降)

きらびやかな雰囲気を演出するために、宝石類やゴールド、ラインストーンなど華やかに光る素材のものを身につける。

このように、本来、昼の挙式では光をおさえた素材のアクセサリーが基本でした。しかし、最近では平服指定の場合やあまり格式にこだわらないカジュアルな挙式スタイルを中心に許容の範囲が変化しています。

平服指定などのカジュアルな結婚式の場合、ラインストーンやラメなど、光る素材でも派手なデザインでなければ、そんなに気にしない。「華やかな会場の雰囲気にあっていれば気にしない」という風潮が広がりをみせています。

ここで気をつけたいのはドレスコードが「準礼装・正礼装」の挙式に参列する場合です。ネット上で目にする、あいまいなマナーだけどOKと解説されているマナーというのは、結婚式の招待状にカジュアルな服装の指定(平服指定)のドレスコード「略礼装(りゃくれいそう)」を前提に発言されていることが非常に多いので注意が必要です。

結婚式のドレスコード(服装のきまり)

結婚式のドレスコード(服装のきまり)は大きくわけると下の3つにわけられます。

正礼装(せいれいそう)

フォーマルレベル:★★★

主賓クラスとして出席する場合の服装のきまり。
主賓クラスとは、「新郎新婦の父母」「媒酌人(仲人)」「新郎新婦の両親にとても近い親戚」の立場で出席する人の服装のきまり。

準礼装(じゅんれいそう)

フォーマルレベル:★★☆

「新郎新婦の親戚」「友人」「知人」「仕事関係者」の立場で出席する人の服装のきまり。
結婚式の招待状に服装について何も指定のない結婚式・披露宴。

略礼装(りゃくれいそう)

フォーマルレベル:★☆☆

主催者側のテーマとして、あまり格式にこだわらないカジュアルな結婚式・披露宴の場合「略礼装」でもOK。

※招待状に「平服」の記載がある場合は、カジュアルな服装のイメージですが普段着ではありません。

平服は「正礼装でなくても良いですよ」という意味なので「略礼装」でもOKです。ジーパンなどカジュアルすぎる服装はNGです。

肩肘はらずに気軽に来てくださいという主催者側の心配りと受け止めましょう。

参考文献

ひぐち まり(2014)『結婚式お呼ばれマニュアル ~ゲストのためのマナー・服装入門~』impress QuickBooks.

「準礼装」「正礼装」の場合、「略礼装」ほど許容の範囲も広くありません。まずはあなたが出席する結婚式のドレスコード(服装のきまり)を把握して、アクセサリーを選びましょう。
結婚式の招待状に服装について何も指定のない結婚式・披露宴の場合は「準礼装」が基準となります。

2−2.ファーや革製品など「殺生」を連想させるものは全てNGなの?

現在、結婚式・挙式の主流は宗派に関係なく以下の3つのスタイルで行われます。

1位(61%) キリスト教式・チャペル式
キリスト教式の手順でおこなわれるプロテスタント教派の挙式が主流。
2位(17%) 神前式:
宗教に関係なく、親族や友人など、出席者が立会人になるスタイル。
3位(16%) 人前式:
三三九度や玉串奉奠などの儀式、雅楽や和装をはじめとする日本の伝統にのっとった挙式スタイル。

「殺生」を連想させるものだからマナー違反というのは、着物の冠婚葬祭マナーの場合と、キリスト教や仏教など、宗教的な考えの場合と大きくはこの2通りからきています。

着物の冠婚葬祭マナーからくる意見の場合

「小笠原流礼法」という礼儀作法が主流だった室町時代、着物の「冠婚葬祭の礼儀作法」では暗黙の了解で「殺生」「切る」「裂く」「分ける」「割る」など縁起を担いだタブーとされる言動があります。
着物の場合、革製のバッグや草履などが、この「殺生」にあたるとしてNGとされてきました。
もちろん、この時代に日本に洋装の結婚式はないので洋装の礼儀作法ではありません。

キリスト教や仏教など、宗教的な教えからくる意見の場合

宗教の教えをマナーの判断基準にした場合、キリスト教の聖書の教えでは「動物は人間に食べられるために神が用意したもの」という教えで殺生はタブーではありません。いっぽう、仏教で殺生は「殺生罪」で定められ、タブーとされています。

つまり、宗教の教えを判断基準にした場合、

チャペル式(キリスト教)ではOK、
神前式(仏教)ではさけるべき

ということになります。

現代の結婚式はキリスト教式が主流となりますので、本来、「殺生」を連想させるものがNGというマナーは気にする必要はありません。

「殺生」を連想すると言われているものをコーディネートに取り入れる場合の注意点

平服指定などの格式をあまりきにしないカジュアルな結婚式の場合、さほど気にする必要はありませんが格式高い式場や主催者側が昔ながらの風習や習わしを強く重んじる場合は、慎重に検討するように心がけましょう。

2−3.イミテーションのアクセサリーは失礼なの?

本物の真珠や宝石を使用したアクセサリーは高額になるため、最近では主催者側の花嫁が身に付けるアクセサリーもイミテーションの場合が多く、招待客のドレスコード(服装のきまり)で、イミテーションのアクセサリーがNGという規定もありません。
昼からの挙式の場合、パールのアクセサリーが定番ですが、イミテーションでも結婚式の場に合う上品で華やかなデザインであれば、マナー違反ではありません。
また、一連のネックレスで、華やかさが足りないと感じる場合、上品なイメージを損なわないアレンジで重ね付けすることもOKです。

2−4.揺れるイヤリング・ピアスは縁起が悪いのでNGなの?

結婚式で身に付けるイヤリングやピアスのマナーは、「2−1」で解説したとおり昼と夜で素材(パールなど)の基準はありますが、「揺れるイヤリングは、家庭が揺れる」などの縁起をかついだマナーはありません。
ただ、派手なデザインで大きめのものや、必要以上に長く垂れ下がった主張の強いものは上品なドレスとの相性も悪く、コーディネートのバランスを崩してしまうので避けるように心がけましょう。
よって、パールが少し揺れる程度のイヤリングやピアスならマナー違反ではありません。

2−5.黒真珠(ブラックパール)はお葬式のイメージだからNG?

ブラックパール(黒真珠)のネックレスは黒というイメージからお葬式用と良く言われますが、本来、黒真珠は高価な品物で、華やかでパーティーや結婚式に着用することに問題はありません。
特に干渉色というシャボン玉やレーザーディスクのような混ざりあって多彩な色を放つ黒真珠は華やかで、結婚式の場でも問題ありませんが、コーディネートの関係で暗いイメージになる場合は避けた方が良いでしょう。

また、高い年齢層を中心に、正しい規定や理由なく、「黒真珠は、お葬式のイメージ」ということが一般的に広まっている時代背景もありますので年配の方が多く参加する場では身に着けない方が無難です。

参考文献

ひぐちまり(2014)『結婚式お呼ばれマニュアル ~ゲストのためのマナー・服装入門~』インプレス.

まとめ

結婚式のマナーで一番大切なことは、自分がどういう立場で出席して、その立場にふさわしい服装を心がけることです。

初対面のさまざまな年齢の方が出席する結婚式で服装で迷ったときは、カジュアルにするよりも、きちんと感をワンランクアップすることを心がけましょう。

最後に

良ければ、友達や姉妹・家族とシェアして特別な日の準備にお役立てください。
あなたの結婚式お呼ばれパーティーライフが少しでも豊かになるよう心より応援しています。